ラ・テールブログ

自然素材にこだわった洋菓子・パン・レストランの、世田谷三宿ラ・テールブログ


有機JAS認証とれました!の苦労話(1)

こんにちは、ラ・テールの福田です。

先日アルティザン・テラのパンについて
有機JAS認証を取る苦労話を
栄徳シェフに聞く機会がありました。

とても面白いお話だったので、
少しづつご披露しますね。



●なぜ有機認証を取ろうと思ったのですか?

→ブーランジェリー ラ・テールではこれまでも「安心安全」を求めて
さまざまな努力をしてきました。

世の中全体もどんどん「安心安全」を求めるようになってきました。
その中でさらに先を行こうとしたら
有機JAS認証をとること、が目標になりました。


●どのくらいで有機JAS認証を取ることができたのですか?

→ はじめてから2か月で取得(1月15日)できましたが、
これはとても早い方だそうです。
通常早くても3か月から半年かかるので。


●有機JAS認証を取る大変さとはたとえば?

→ひとつには、認証に必要な書類集めが大変でした。

パンで有機JASを取っている前例がほとんどないので、
材料の業者さん側にもそういう準備がないことが多かったです。

有機素材を使うに際し、その素材の有機の証明書、輸入品なら輸入証明も必要ですが、
書類をそろえてもらうところからお願いしたので大変でした。


→次に大変だったのは、「ルール作りをしていくこと」でした。

パンの仕込みから掃除に至るまでのすべての工程をルール化し、
記録する帳票類もすべて一から手作りしていきました。
モデルになるひな形があるわけではないので、
全部一から考えました。
作る人も素材も、すべて登録をしなくてはならない、
登録をしていない人が作ってはいけないし、
登録していないものを使ってもいけない。
それが有機JAS認証です。
掃除道具に至るまで、登録したもの以外はそこに置いてはいけないという厳しさです。 

有機JASの考え方のひとつは「洗剤などの薬剤を使わない」が基本です。
ヤシの実洗剤なども、前から使っているのですが、
その成分表などが必要になり、
MSDSという安全証明も出してもらわなければなりませんでした。

パンを包む包材もしかりです。
提出書類に記載したものがそのまま内部規定になり、
それが法律のようなものになるということです。
それにしたがった製造方法を守り、
記録していくことが日々の仕事になります。


→ 作り手は登録された人だけなんです。

作り手は現在7名登録されており、
そのほかに格付けする人が2人います。
有機JAS認証を取るには、生産工程責任者と格付け責任者の2つが内部に必要とされています。
ただ規定にのっとってつくるだけではなく、
日々それを確認する人=格付けする人が必要になるのです。



→ 原料の大変さもありました。

たとえばさつまいもは有機栽培ですが、その証明が必要です。
農産物は証明をそろえてもらうのがなかなか大変でした。



→ 海外認証の難しさ

また海外の有機認証を取っていても、
日本の規格である有機JASでないと有機JAS認証は取れません。
ブーランジェリー ラ・テールでは有機JASにこだわらず、
海外認証の取れている素材ならと、今まで使ってきたものも多いのですが、
有機JAS製品に関してはこれらは使えませんでした。

有機JASは、素材の95%以上が有機素材であること、という基準がありますが、
その中でも、たとえばクルミ、のような同じ素材の中では、
有機素材と非有機素材を混ぜてはいけないので、
グルノーブルのクルミをアメリカクルミと混ぜて使うということはできませんでした。


→ 畜産物があんまり使えない!

有機パンとして認められるのは、農産物を95%以上使ったもの、という規定があるので、
バターや牛乳、卵など農産物以外のものを5%以上使ったパンは、
必然的に有機パンとしては認められません。
ちなみにはちみつも畜産物です。
難しくいうとパンは「指定農林物資」といって、
それは農産物を95%以上使ったものなんだそうです。



→ クロワッサンは有機JASでは作れない???と困惑


畜産物の海外からの輸入品は、有機JAS認定とれていないので、
畜産品はほとんどつかえていません。
国内で有機JASを持っているのは
千葉の大地牧場(おおちぼくじょう)さんとワタミさんだけなので、
ここの素材以外は使えないです。

大地牧場さんのバターがあれば、
有機バターを使ったパンが可能になりますが、
それも5%以内に収まっていなくてはなりません。
したがって、クロワッサンやブリオッシュを有機JASで作ることは
限りなく難しいことなのです。


→ 日々素材との戦いです

たとえば北海道の春よ恋はあと2か月でいったんショートするといわれていますので、
農産物の安定供給はかなり難しい問題です。




**************

・・・・とここまで聞いただけでも
ほんとに大変なことなんだなあーとしみじみ。
クロワッサンやブリオッシュの有機JAS認定品を食べるのは
とても難しいことなんですね。

農産物が95%以上でなくてはならない、というのは
不思議な制度だなと思います。
その辺は、改善してほしいという要望が多数寄せられているようなので
そのうち変わることを期待して。

つづきはまた。



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